鉄路旅行を計画する前に
〜中国鉄路の基礎知識〜

2007.4.18第6次提速対応

はじめに

トップページにも述べましたが中国を旅するのであれば鉄道の旅でしょう。しかしやはり外国の鉄道、日本とは勝手が違います。そこでこれから鉄道旅行を予定されている皆さまがトラブル少なく旅行できますように基礎知識を紹介します。


きっぷを買うときに乗る列車を指定します

中国鉄路ではきっぷを購入するときに乗車日、行き先とともに乗車列車を決めなければなりません。日本のようにきっぷだけを購入しホームに入ってきた列車にヒョイッと乗車することは出来ません。その前に列車を指定せずにきっぷを買おうとしても売ってもらえません。また周遊券やレールパスといった類はありません。

始発駅では全席指定です

日本では自由席がありますが、中国鉄路の場合は始発駅では全席指定です。指定ですが窓側・通路側など乗客の希望は全く聞いてもらえません。寝台の場合は上・中・下段で料金が違うのでこれだけは希望を聞いてもらえます。途中駅からは硬座の自由席券(無座-WuZuoまたは站票ZhanPiaoという)しか買うことができません。ただし軟座に関しては同一管区内を走る列車であれば始発駅以外でも指定券を買えることがあります。

寝台券は原則始発駅でしか買えません

寝台券(軟臥・硬臥)は基本的に始発駅でしか発売されません。途中駅でも一定の割り当てがあり運がよければ買えることがありますが、まず不可能に近いと思います。その時は硬座の自由席券で乗車し、列車中ほどにある「列車辨公室」で寝台が欲しい旨伝えましょう。空きがあれば差額料金を払って寝台車に乗ることができます。

※場合によっては途中駅でも買えることができるので駅の窓口で聞いてみてください

往復きっぷは原則一部を除き買えません

往復きっぷは基本的には買えません。ただし超特急「D列車」やノンストップ特快「Z列車」、同一鉄路管内の軟座であれば購入できます。長距離列車の単純往復券は制約が多少ありますが、購入できる列車もあります。

列車の乗り継ぎは困難です

中国鉄路のダイヤは基本的に目的地へ直行するように組まれています。よって途中で別の列車に乗り換えて行くことは非常に困難です。仮にA駅からB駅を経由してC駅へ行くとします。発駅のA駅ではA−B間の列車しか指定出来ません。B駅からC駅の列車はB駅に到着してからでしか指定することは出来ません。場合によってはB駅で2,3日足止めを食らうおそれがあります。よって目的地まで直行できるように計画しましょう。

2007年4月登場の「D列車」についてはD列車同士であれば乗り継ぎ券の購入は可能です。D列車以外でも補足事項で書いていますが、乗車駅で乗り継ぎ列車のきっぷが購入できるケースもありますので、駅の窓口で聞いてください。

※補足事項

昨年(2006年)より予約・発券システムがバージョン5.0に変わり、寝台券・往復券の購入がしやすくなっています。購入する駅を全く通らない列車のきっぷの購入もできるようになってきています。とはいってもあくまで中国ですのですべてがそのようにはなっていません。一度駅の窓口で聞いてみてください。買えればラッキー!

座席の種類の紹介

中国鉄路の座席等級は2等級制です。大きく分けると硬席(二等)と軟席(一等)に分かれます。二等座席は「硬座-Yin Zou インツォウ」、二等寝台は「硬臥-Yin Wo インウォウ」、一等座席は「軟座-Ruan Zuo ルァンツォウ」、一等寝台は「軟臥-Ruan Wo-ルァンウォウ」となります。もちろん座席車より寝台車の方が高くなります。以下に各種類の説明をします。

軟臥(Ruan Wo:RW)

軟臥車(ボーゲン氏提供)一等寝台、料金的には一番高い。2段ベッド2組の4人一室の個室(コンパートメント)で中よりカギがかかり、部屋の照明と車内放送のスピーカーが個別に操作できる。ベッドは日本のB寝台よりやや広くクッションもよく効いている。寝具はシーツと掛け布団と枕。一部屋に1つ熱湯が入ったポットがある。食堂車で食事をするときも優先的に予約ができ時間がくると呼びに来てくれる。列車の中で一番贅沢な旅が出来る。ただしベッドにはカーテンは無い。上段より下段の方が料金が高い。

きっぷの購入は以前は簡単に買えていたが、最近の中国人に「小金持ち」が増えてきており、うかうかしていると売り切れてしまうので気をつけよう。

2段ベッドの上段を取っ払い2人用、1人用にした軟臥もあり、高級軟臥(通称:高包)という。値段はハッキリしていないが軟臥下段の1.8倍からとかなり高い。

硬臥(Yin Wo:YW)

二等寝台、3段ベッド2組の6人ボックスになっているが軟臥のように個室にはなっていない。ベッドは薄いクッションが張っているが結構堅い。寝具はシーツと薄いタオルケットと枕のみ。1ボックスにやはりポットがある。ただし軟臥ほどのサービスは期待できない。ただし快適で経済的な旅が出来るのでお勧めの席である。やはりベッドにはカーテンは無い。上、中、下となるにつれて料金が高くなる。

以前は買いにくいきっぷナンバーワンであったが、最近は軟臥の方が人気があり、軟臥が売り切れでも硬臥が空席ありという現象も出てきている。

軟座(Ruan Zuo:RZ)

RZ25Tの車内一等座席、比較的短距離の(寝台が必要でない)区間の列車に連結されている。2人がけ座席の4人ボックスが基本。列車によっては2人がけロマンスシート形式もある。席の転換、リクライニングは一部の列車を除き出来ない。横幅も前も割とゆとりがあるのでゆっくり旅をするには最適。お湯は列車員が注ぎにきてくれるか又は各ボックスに備えてある。

軟座も「小金持ち」が愛用している座席なので気をつけよう。列車によっては硬座より軟座の方が多く繋がっている列車もある。またオール軟座という列車も増えてきた。

通常の軟座をグレードアップした一等軟座、特等軟座などもある。特に特等軟座は2+1シートとなっており、もちろんリクライニングする。シート幅は一昔前の飛行機のビジネスクラス並みである。(ただし質感は良くない、というか中国の場合シートカバーにはそんなにカネをかけていないようだ。

硬座(Yin Zuo:YZ)

二等座席、2人がけと3人がけ座席でそれぞれ4、6人ボックス。例えるなら新幹線の普通車を向かい合わせにしたような席の配置。もちろん席の転換、リクライニングはできない。お湯も自分で汲みに行かなければならない。途中駅からは自由席になるので混んでくると通路やデッキにも人があふれてくる。ただし乗り合わせた中国人と仲良くなれる座席である。料金は一番安い。


車次(列車番号)について

列車のきっぷを購入するときには列車番号を指定しなければならないと前述しましたが、列車番号のことを中国語で「車次」といいます。もともと列車番号とは運行上の列車を示す名前です。だいたいどの国の鉄道でも使われています。(もちろん日本でも採用しています、新幹線もひかり○○号と言っていますがちゃんと列車番号はあります)

車次と列車種別の関係を下記に表にしています。列車選びの参考にしてください。

列車種別 車次 説明・特徴
動車組旅客列車 D1〜D999 2007年4月18日の第六次提速で登場した車種。動車組とは機関車牽引ではない列車のことをいう。ここではJR東日本の新幹線車両「E2系」をベースに国産化した「CRH」シリーズの動力分散型交流電車を用いた高速列車を指す。最高速度は200q/h〜250q/hで運用。オール軟座編成(一等軟座、二等軟座)で料金は通常の中国鉄路料金とは異なり特別料金を採用しているので結構高い。ただし20日前からきっぷが購入でき、往復・乗り継ぎきっぷも購入可能で、初心者には買いやすい列車かも知れない。
直達特快列車 Z1〜Z99 2004年4月18日の第五次提速で登場した車種。文字通りノンストップ特急列車。運行速度は今までの特快よりもちろん速い。(最高速度160km/h)車内設備も豪華で個室軟臥「高包」も多くの列車で連結されている。また上海−北京のZ5/6・Z7/8・Z13/14、武昌−北京西のZ37/38次はなんと夕食付き!料金は現在のところ「快速票」料金が適用されている。
特快旅客列車 T1〜T999 文字通り特急列車。最近妙に本数が増えてきた。運行速度が2番目に早い。(表定速度100km/h以上)停車駅も少ない。「快速票」料金が適用。略称「特快」
快速旅客列車 K1〜K999 以前の「快速」。運行速度の速さを売りにしているがグレードと停車駅は特快よりやや劣る。料金は「快速票」が適用。略称「快速」
管内快速列車 N1〜N999 2004年4月18日の第五次提速で登場した車種。快速列車の中で一鉄路局内のみを走行する短距離列車に割り振られている。グレードは上記快速とほぼ同等。料金は「快速票」が適用。略称「管快」
普通旅客列車 1001〜2999
4001〜5999
急行列車(普通旅客快車)。以前は通過する鉄路局によって「快客(1鉄路局内の列車)」、「直快(複数の鉄路局を走る列車)」と分かれていたが、現在は基本的に同じ。ただし1001〜2999次が旧直快、4001〜5999次が旧快客のようである。料金は「普快票」料金が適用。略称「普快」
6001〜8999 いわゆる普通列車(普通旅客漫車)。以前は急行と同様に通過する鉄路局によって「客」、「直客」、「市郊」などと分かれていたが、現在はこの種別に統一。ただし普通快車同様列車番号で区別はしているらしい。当然加快票は不要、ただし年々本数が減っている。略称「普客」

※最近は普通旅客快車、普通旅客漫車の表記をやめ「普通旅客列車」に統一している。

※その他にもツアー用のY列車や臨時列車にあたるL/A列車があります。(我々外国人が乗ることは滅多にはありませんが、興味のある方はお試しください。ただしあくまで臨時便ですので深夜発深夜着というとんでもない列車もあります)


それでは実際に列車旅行を見ていきましょう